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SXSW 2026のXR展示を視察── 世界中が試行錯誤する「体験型コンテンツ」の現在地
アメリカ・テキサス州オースティンで開催されている世界最大級のクリエイティブイベントSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)。
音楽・映画・テクノロジーなど多様な分野のクリエイターや企業が集まり、毎年新しい表現やビジネスの可能性が発信される場として知られています。
TREE Digital Studioも、XR(Extended Reality)領域を中心とした世界の最新動向をリサーチするため、REALIZE事業部メンバーがSXSW 2026を現地にて視察しました。
今回はXR関連を中心に、現地を訪れた視察班の印象に残った展示や体験をいくつか紹介します。
SXSWとは
SXSWは1987年にスタートしたイベントで、現在では音楽、映画・テレビ、イノベーションの3つの分野を中心に、世界中からクリエイターや企業が集まる国際的なフェスティバルへと発展しています。
今年は3月12日から18日(アメリカ時間)の7日間開催され、昼はテクノロジー関連、夜は映画関連のセッションや音楽ライブなど、さまざまなプログラムが行われます。
会場は特定の施設に限らず、オースティンの街中のホテルやホール、ライブハウスなどが使用されます。歩いているだけでもSXSWの雰囲気を感じられるのが、このイベントの特徴です。街全体がイベント会場のような空気に包まれます。

今回ご紹介するXR関連の展示の多くは、オースティン中心部にあるホテル Fairmont Austin(フェアモント・オースティン)で開催されていました。ホテルの外観には大きな広告映像が複数映し出されていて、現地の視察チームも驚いたとのことです。

このホテルでは主に次の3つのプログラムを実施しています。
・3月12日〜14日:International Innovations
・3月15日〜17日:XR Experience
・3月16日〜18日:Emerging Tech
International InnovationsではXR関連の技術やプロダクトの展示が行われ、XR Experienceでは実際に体験できるXR作品が多数展示されていました。
また、Emerging Techでは、最先端技術の開発に取り組む企業やスタートアップが集まり、革新的なプロダクトやサービスの展示が行われていました。
XR Experience初日の会場入口には、開場前から待機している来場者の姿も見られ、XR体験を楽しみにしている様子がうかがえました。


SXSWで発見!印象に残った展示
SXSWでは、多くのXR作品や技術展示が並び、来場者が実際に体験できるブースも多数用意されていました。
今回は、主にInternational InnovationsとXR Experienceで実施されていた展示の中から、現地視察班の印象に残った体験をピックアップしてご紹介します。
スマートグラスで絵画が動き出すARアート展示「Spectacular」
XR Experienceでは、アメリカ・カリフォルニア州に本社を置くSnap Inc.が、Snap OS 2.0を搭載したスマートグラス「Spectacles」を用いたARアート展示「Spectacular: The Art of Jonathan Yeo in Augmented Reality」を行っていました。
ブースでは、イギリスの芸術家Jonathan Yeo(ジョナサン・ヨー)氏の肖像画が展示されており、スマートグラスを通して見ると鑑賞者の動きに反応して変化する拡張絵画として体験できる仕掛けになっています。
絵画に描かれた蝶が自分の手元まで飛んできたり、手をかざすと水面のように絵画が波打ったりと、ARによるさまざまな演出が用意されていました。


また、ブースに入る際に撮影した自分の顔が肖像画の人物の顔に合成されたり、こちらにカメラを向けている肖像画が実際にシャッターを切ったりするなど、絵画の世界観をより立体的に体験できる演出が施されています。

視察班「実際に体験してみると、映像がとてもクリアで、視野の境界もあまり気になりませんでした。デバイスは思っていたよりも大型だったので、もっと小型化されれば、日常でも使われるようになるのかもしれません。」

布から音が出る!?「NWON(ニューオン)」
International Innovationsの展示の中で気になったのが、布状の次世代スピーカー「NWON(ニューオン)」です。
これは株式会社槌屋と槌屋ティスコ株式会社が開発している技術で、布の中に小型スピーカーを組み込むことで、布そのものから音を出すことができるというものです。

カーテンなどのファブリック素材に組み込むことで、空間デザインと音響演出を一体化できる「音の出るファブリック」として活用できるそうです。
展示では、布から自然に音が聞こえてくるような不思議な感覚がありました。
この技術に視察班は可能性を感じたそうです。
視察班「動物やIPと相性は良いと感じました。センサー技術と組み合わせればTREEでも空間演出のアイデアとして応用できそうです。」
物語に入り込む没入型VR映像体験
VRを使った映像作品も多く展示されていました。
VRゴーグルを装着して体験する作品では、ストーリーの展開に合わせたインタラクションを求められるものが多く、体験者が物語の中に入り込むような構成になっています。
視察班「360°の空間を活かした演出も多く、視界のさまざまな方向で出来事が起こるなど、従来の映像とは違う体験ができる作品が印象的でした。体験者はストーリー展開に合わせたインタラクションを求められ、物語の一員として作品に入り込むことができ、今後XRコンテンツを作る上での表現のヒントを得ることができました。」
XR展示では、エンターテインメントから社会問題まで、さまざまなテーマを扱った作品が並んでいました。

XRだけじゃない、SXSWの体験型コンテンツ
SXSWではXR展示だけでなく、さまざまな企業が街中で体験型のプロモーションを展開していました。
その1つとして印象的だったのが、アメリカの電気自動車メーカーRivian Automotive Inc.(リヴィアン・オートモーティブ)による試乗体験です。会場周辺には試乗スペースが設けられ、多くの来場者が実際に試乗体験をしていました。

視察班は今回の視察を通じて、XRは技術そのものだけでなく、XRを使って「何を体験させるか」を世界中が試行錯誤している段階という印象を受けたそうです。
世界中のクリエイターが新しい表現を試すSXSW。XRという分野においても、本イベントはその可能性を広げる場となっているようです。
SXSWは3月12日から18日(アメリカ時間)まで開催されています。街全体を会場のように使ったこのイベントでは、今年もさまざまな新しい表現や技術が紹介されています。XRの分野でも、まだ模索段階ながら多様な試みが行われている様子が印象的でした。
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記事執筆:TREE Digital Studio 広報
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